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「らっきょう」のおすそわけをしました

南流山内視鏡おなかクリニックでは、クリニックの待合室に「医食同源」の遊び文字を飾っています。おなかの不調を治療するときに食事を見直すことはとても大事だと考えているからです。

便がすっきり出ない時におなかの調子を良くするために、食事はどうすればよいでしょうか?大事なことの一つは「食物繊維」を多く摂ることです。

 

食物繊維をたくさん摂ると、以下の効果から便通が良くなります。
・便の量が増える
・食物繊維をエサとする腸内細菌の働きが活発になり、体に良い物質を作ってくれて腸の動きがよくなる

食物繊維は便秘の治療にはとても大事です。
では食物繊維が多い食品とは何でしょうか?

 

それは野菜です。肉や魚など、タンパク質には食物繊維は含まれていません。
食物繊維とは人間の消化酵素で分解できないもののことで、実は植物の細胞の一番外側の壁(細胞壁)こそが食物繊維なのです。


動物の細胞には細胞壁はありません。ですから肉や魚を食べても食物繊維は摂れません。植物と動物の細胞の大きな違いは「細胞壁」があるか否かで、実はこれは中学校の理科で習っていることなんです。

 

それでは食物繊維が豊富な野菜とはどんなものでしょうか?

外来で野菜を意識していると言われる方に尋ねると、多くの方は「生野菜(サラダ)」をたくさん食べていると言われます。しかし、生で食べる野菜には食物繊維はあまり多く含まれていません。

 

一言で言うと「根菜類」など、土の中に埋まっている部分を食べる野菜に食物繊維は多く含まれます。その中でも「らっきょう」は最も食物繊維が豊富な野菜です。

 

以前から「らっきょう」を食べることを皆さまに勧めていたのですが、この度ご縁があって「らっきょう」の植え付け、収穫を体験することができました。

 

柏自然農法実践倶楽部を主催されている落合修さんは、完全自然農法(無農薬・無肥料)で野菜を育てておられます。以前から懇意にさせていただいていた、料理研究家であり日本麹文化協会の代表理事である大瀬由生子さんからご紹介いただき落合さんの畑の見学に行きました。そして、2021年の夏に植え付けを行い、そして2022年の7月にらっきょうの収穫を行いました。

 

私も植え付け、収穫のお手伝いをさせていただきました。

らっきょうを収穫し、葉や根の不要な部分を取り除き、袋に入れていきました。そしてクリニックを受診された方などに無料でお配りしました。

私は自宅で妻にらっきょうの天ぷらを作ってもらいました。全くクセがなく、パクパク食べられました。ビールにも相性抜群です。

らっきょうは食物繊維が抜群に多い野菜です。甘酢漬けでよく食されますが、甘酢漬けにすると食物繊維が減ります。

 

製造過程で乳酸菌による発酵があるため、食物繊維が乳酸菌によって消費されるからです。(簡便に漬けたものでは発酵は省略されるので減りません)

らっきょうは夏が旬なので、もしスーパー等で生のらっきょうを見つけたら、ぜひ手に取ってご賞味ください。

 

薬で不調を治すことも大事ですが、食事で不調が改善できれば最高ですね。

 

 

 

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